インタビュー14. ショコラティエ 川路さとみさん



ブティックでご紹介したムッシュウ・ショコラで研修をしているショコラティエ、川路さとみさん。取材の日も直前までお店で作業をしていて、さとみさんから漂うチョコレートの香りに胸を弾ませながらお話をうかがいました!(-02-01)

ショコラティエになろうと思ったきっかけは?日本では何かショコラティエになるための勉強をしていましたか。
日本ではパティシエとして約4年間、ホテルで働いていました。そのときからチョコレートに興味があったのですが、バンケット(宴会・祝宴)のデザートを作っていたので、なかなかチョコレートを扱うチャンスがありませんでした。当時の先輩に少しチョコレートを教えてもらったことがあるのですが、そのときチョコレートの難しさを目の当たりにして、またそれがおもしろい!と思い、本格的に勉強しようとフランスに来ました。

チョコレートはフランスだけでなく、ベルギーやスイスなども有名ですが、なぜその時、フランスで学ぼうと思ったのですか。

いろいろなチョコレートを見た中で、フランスのチョコレートが一番繊細だったので、最初から迷うことなくフランスに決めました。パティシエとしての経験もあったので、パティスリーの多いフランスなら今までの経験も活かせるのでは、という気持ちもありました。

研修先を探すのは大変だったと思いますが、どのように探したのですか。
日本にいるときにフランスのショコラティエについていろいろと情報を集め、その中に「将来性があるお店」として「ムッシュウ・ショコラ」を見つけ、スタージュ(研修)をしたいことを直接手紙を書いて伝えました。その後お返事をいただき、スタージュが実現。日本の方がいるとは思わなかったので、けいこさんに会ってびっくりしました!

実際にショコラティエとして研修されて1年経ったとのことですが、日本にいた時とショコラティエに対する印象は変わりましたか?
変わりました!ショコラティエは、いくら知識があっても経験がないと仕事ができないんだな、と実感しました。チョコレートの温度やタイミングなど、経験をつまなければできないことばかり。作り方、仕事の仕方など、パティシエの作るチョコレートとショコラティエの作るチョコレートは根本から違うと分かりました。「ショコラティエになるには10年かかる」とパトロン(店主)が言うぐらい、繊細で経験が必要な仕事です。

では、ここでチョコレートから離れて、パリの生活について聞かせてください。ずばり、印象は?
野菜、ワイン、チーズが安い!日曜は本当に「休み」で誰も働いていない(笑)。お店ではレジの店員さんがいい加減だったり、ずっとしゃべっていたり・・・でもそのいい加減さが心地良いときもあったり、いやなときもあったり。あとトイレが少ない!

パリで生活を続けていくなか、「自分が変わったな」という点はありますか?
日本では仕事一筋だったのですが、フランスに来て、がつがつ仕事だけをするのではなく、体を壊さずに楽しく仕事をしたい、と思うようになりました。日本の「気合いでやれ!」というスタイルではなく、仕事もきちんとやりながら人生を楽もうと心がけています。

さきほど「いやなときもあったり」とのことですが、そういうときはどうやって気分転換していますか。
友達と話をしたり、一緒にごはんを食べたりしてリラックスしています。寮に住んでいるので、すぐ近くに友達がいるのは本当に良かったです。いろんな国籍の人もいるので、文化の違いなど新しい発見が多く、衝撃も多い(笑)。休みの日には公園を散歩したり、ヴァンセンヌの森を歩くのも好きです。


では、またチョコレートの話を聞かせてください。「ムッシュウ・ショコラ」でスタージュをしていてどのような印象を持ちましたか。

いいパトロンだからお店も良いんだな、と分かりました。パトロン自身が誇りを持って仕事をしていることや、技術面だけではなく、やる気などの内面も評価してくれる点がうれしいです。それと、毎日上質なチョコレートに触れることが出来るので、本物の味を覚えられるのがとても良いです!

大変なこと、難しいことはありますか?
チョコレートを作る技術だけではなく、お店で扱うときも繊細さが必要で、驚くことがまだまだたくさんあります。チョコレートは宝石のようなものなので、お店にチョコレートを並べるときは特に気を配ります。

 

スタージュをしていてフランス語で困ることはありますか?

日本ではカルチャーセンターやNHKのフランス語講座をやったくらいですが、技術面で想像したり、パトロンがフランス語をわかりやすく話してくれるので、特に困ったことはありません。仕事よりも私生活の方が言葉は大変でした(笑)。

最後に今後の目標を教えてください!
日本のお菓子の世界はまだまだ男性社会ですが、女の人だからこそできる仕事(チョコレート作りやお店のスタイル)をしたいです。「パティシエは体力が必要だけど、ショコラティエは体力よりも繊細さが必要。女の人も続けやすい仕事だよ。」とパトロンに言われたことがあって、力づけられました。日本で自分のお店を持って、まだ日本人がやっていないようなチョコレートを作りたいです!

ずっとニコニコとお話をしていただき、ありがとうございました!
 


編集部より
ムッシュウ・ショコラのジャン・マルクさん、けいこさんのご好意でお店でインタビューをさせていただき、お店の看板犬ショコラも登場
して、あたたかい雰囲気とさとみさんの溌剌としたすてきな笑顔が印象的でした。
写真のチョコレートはさとみさんがスタージュで作っているもの。まだまだ教えてもらいながら・・・と照れていましたが、どれも立派。これからのご活躍を楽しみに応援しています!
 


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